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重水素化と計算機科学を駆使した中性子構造生物学の最前線

 現在、これまでにない入口と出口を設けて「新たな中性子構造生物学」を作り出す模索が行われている。具体的には、入口は重水素化とドメインライゲーション技術を組み合わせた試料調製であり、出口は粗視化・全原子分子動力学、スパーズ法、カスケード法及び機械学習までを見据えた計算機シミュレーションである。これらを中性子散乱・回析に連結する事で、これまで出来なかった生体高分子の静的・動的構造の解明手法の開発を目指している。そこで、これらの試みの最先端の成果を紹介し、今後の展開を深く議論する場としてシンポジウムを開催させていただきます。

 加えて、上記目的の達成のためにはより「広い視野に立ち今後の展開を議論する」ことが重要であると認識しており、そのためには中性子を超えて「構造生物学全体の現状」=「最新の成果」を理解することが必要であると考えました。そこで、シンポジウム後半では中性子の分野を離れて、構造生物学の最先端を紹介していただくこととして、明治大学の光武先生にレプリカ交換法をはじめとした計算科学を用いた生命科学研究と更に東京大学の胡桃坂先生には特別講演としてクライオ電子顕微鏡を用いた研究の講演をお願いしております。シンポジウムの結びでは、これらの研究を踏まえ学術・産業における今後の構造生物学の方向性とその中で中性子の可能性について帝人ファーマの上村博士に総括していただきます。

 皆様の御来聴と議論への御参加をお待ちしております。

シンポジウム企画責任者
京都大学複合原子力科学研究所
杉山正明

 2020/11/10 (火)

 9:00 - 9:05
 ・シンポジウムついて

  京大複合研 杉山正明

 9:05 - 9:30
 ・中性子散乱解析を目指したタンパク質ライゲーションの技術戦略
  京大複合研 奥田 綾

 

 9:30 - 9:55
 ・量子ビーム散乱法と分子シミュレーションによるマルチドメイン蛋白質の溶液動態解析
  JAEA 中川 洋

 

 9:55 -10:20
 ・準弾性中性子散乱による溶液中におけるタンパク質の内部運動解析にむけて
  京大複合研 井上倫太郎

 

 10:20 -10:30
 休憩

 

 10:30 -10:55
 ・分子シミュレーション手法を駆使したタンパク質系の応用研究に向けて
  明治大理工 光武亜代理

 

 10-55 -11:35
 ・クライオEM 単粒子解析によるクロマチンダイナミクスの理解
  東大定量研 胡桃坂仁志

 

 11:35 -12:00

 ・構造生物学からみた中性子:構造生物学の現状と中性子生命科学の今後
  帝人ファーマ 上村みどり